音量ビブラートとは?

音程(ピッチ)は一定で、音の大きさ(音量)を規則的に揺らすのが今回ご紹介する「音量ビブラート」です。

音程ビブラートがややクラシカルなニュアンスを持っているのに対して、音量ビブラートはマイケル・ジャクソン、宇多田ヒカルなどが歌唱テクニックとして多用していることからも分かるとおり、ロック、R&Bなど、ノリの良い曲中で情感を表現するのに適したビブラート奏法です。

口笛でのイメージとしてはこんな感じです。


どうでしょうか?

ピッチはほぼ一定ですが、音量に揺らぎがあり、ちょうどボールがバウンドしているような印象がありますね。曲中で上手に使うと切ない気持ちなどを表現することができます。

いま聴いていただいた音を画像で表示するとさらに分かりやすいかもしれません。青い線の太さが音の大きさを表していますが、規則的に音が大小揺らぎながら減衰しています。

音量ビブラート

さて、なぜ音程ビブラートが古くから知られている中で音量を揺らすタイプのビブラートが発展してきたのかについては音楽史的にも興味が持たれるところですが、もっとも理解しやすいのはヒトが本来持っている感情表現に近いというごく単純な理屈です。

つまり、人は感情が極度に高ぶったときに自律神経のバランスが崩れて呼吸が乱れ、声が大小半規則的に乱れるため(喧嘩した時、緊張した時など、あなたも経験ありますよね?)、その状態に似た「音量の震えを伴った演奏」が、相手の心に共感を与えるという、いわば『ヒトが本能的に生まれ持った特性』を演奏技術として応用したものと考えれば納得しやすいと思います。

また、口笛の場合は音程も、音量も自由にコントロールすることが出来るので、好きなビブラートを選んで使うことが出来ますが、正確な音程しか出すことが出来ずピッチをコントロールしづらいタイプの楽器の場合、必然的に音量ビブラートで音楽的なニュアンスを表現することになり、これも音量ビブラートが一般化した大きな要因でしょう。

音量ビブラートの習得法

横隔膜を規則的に振動させ、息の流れを意図的かつ規則的に乱すことで口笛でも音量ビブラートをかけることが出来ます。

これも言葉で説明するとなると非常に分かりづらいのですが、ざっくりした感覚として、森進一さんの「おふくろさんよぉ~ おふくろさん~」をモノマネしているコロッケさんを連想するとより具体的なイメージがつかみやすい気がします(笑

音量ビブラートは原理的にロングトーンの中で音を途切れさせないように注意しながら吐き出す息の量を強弱させるだけなので、口笛さえ吹ければ比較的容易に習得できると思います。もしいまいち感覚がつかめないという方は「強く吐き出す山の部分だけ」を意識して練習してみてください。

先に、音程のほうが音量よりも難しいと書きましたが、音量ビブラートを完全に無意識でかけられるようになるには音程以上の期間が必要で、(現実論として)常に多少意識的な操作になってしまいがちです。

あまりにわざとらしい(意識的であると感じさせる)音量ビブラートは音楽的な違和感を与えやすいため注意が必要ですが、ビブラートの第一歩として、また音楽的表現の幅を広げる手段としても是非マスターしておきましょう!

ビブラートの極み:ミックスビブラート

音程ビブラートと、音量ビブラートを混ぜて、「音量を揺らしながら音程も揺らす」ミックスビブラートというさらに高度なビブラート手法もあります。

私がYouTubeに公開している口笛楽曲の中でも随所に使われていますので興味のある方は是非探してみてください!

実際にはそれほど特殊なものでもなく、音程と音量のビブラートをそれぞれマスターすれば自然とミックスビブラートも出来るようになるので、詳細なノウハウ解説は割愛しますが、ここまで出来るようになればあなたも口笛ビブラートマスターです!

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