地域と世代を繋ぐ~すすきののす~

『口笛サークル』というものが全国に点在していることを皆さんご存知でしょうか?存在自体は知っていても、実際、何をしているのかが分からず、興味はあっても入会の申し込みをするにはやや敷居が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回くちぶえ音楽院では、管理人自らが口笛サークルの練習に一日密着し、実際のところ中で何が行われているのかを取材し、広く一般に情報公開することにしました!

これから口笛サークルへの入会を検討している方のみならず、口笛サークル運営者にとっても運営の参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

さて今回、取材にご協力をいただいたのは、横浜の口笛サークル『すすきののす』。

『すすきののす』というと、2010年国際口笛大会総合芸術部門優勝のイメージが今も強く残りますが、一体そこでの練習とはどのようなものなのでしょうか?

それを調査するため、横浜駅からブルーラインに乗り換え終点の「あざみ野駅」へ。

あざみ野駅

あざみ野駅から車で数分の美しが丘西地区センターですすきののすの活動は行われていました。

今回は残念ながら代表の金井彩衣沙さんは都合が悪くお休みだったのですが、金井真澄さんを中心に口笛の練習が進められました。音を出す前にホワイトボードを使い、口笛の音程が制御される仕組みをまずは頭でしっかり理解するところから今日の練習はスタート。

すすきののす2

ここで非常に興味深かったのは人によって音程の制御方法が微妙に異なるということ。例えば子供の場合、口の内容積が相対的に小さいため、高音が出しやすい特性があり、同じ音程を発音する場合においても大人とは舌の位置の制御が微妙に異なるのだとか。

すすきののすの構成人員は非常に幅広く、下は7歳、上は何と70歳!!

子供にしか分からない演奏上のポイントは金井太久馬くんがしっかりフォロー!こうやって幅広い世代をカバーしているのですね。
*ちなみに板書しているのは太久馬くんがある音程を吹く際の舌の使い方に関する図

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ただやはり、口笛というのは唯一無二の楽器で、口が大きい人も居れば、舌を器用に動かせる人、歯並びの良し悪しもひとそれぞれで、結局は自分にとっての最適解を探さなければなりません。このあたりが他の規格化された楽器と同列に扱えない練習メソッド確立の難しさであり、また最大の醍醐味でもあります。

当然、こうなると議論は白熱!大人も子供も入り乱れて『いや、私はこう思う』『ん~でも僕の場合はこっちのほうがクリアーなんだよね』『私はどっちかというとこっちなのよ』なんていうマニアックな口笛議論が展開されていました。

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ちなみに一番左に書いてあるのが私の板書。実は私も一時取材を忘れてこの話にすっかり入り込んでしまったのでした^^;

練習はこのように単にみんなで口笛を吹くだけにとどまらず、口笛に関する技術知識に関してもしっかりフォローされている印象がありました。

ここで、親子で1年ほど前から参加しているというメンバーに聞いてみました。

鳥鳴「すすきののすに入ったきっかけは?」

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参加者「近所のスーパーに貼られていたチラシを偶然見たんです。実は以前ラジオで聴いた口笛演奏がとても印象に残っていて。それで入会を決めたんです」

鳥「サークルに入って良かったことは?」
参「まわりがみえるようになったことですね~。口笛をはじめようと思ってもどうやったらラジオで聞いたような素晴らしい演奏が出せるようになるのか見当もつかなかったのですが、こうやってみんなで集まると色々な気づきや発見があるんですよ!」

ネットなどで知識を収集するだけでなく、こうやって同じ場所に集うことで生まれる相乗効果は確かに大きいと私も思っています。また一枚のチラシを通して口笛が地域の結びつき強化にも役立っていました。

さて、実はもともと金井家の親子サークルとして活動を開始した「すすきののす」。活動当初はまだ幼くほとんど口笛が吹けなかったという金井太久馬くんも今では中学生となり、サークルで勉強する立場から牽引する側への移行期にあるようだ。

口笛関係者の間では彼がハモリの達人であることは広く知られている。そこで誰もが聞きたいであろう質問を本人に聞いてみた。

鳥「ハモリのコツってあるのですか?」

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太久馬「頭であまり考えないようにしています。主旋律を聞くと自然に頭にハーモニーが浮かんでそれをそのまま口笛で音にしているだけなんですよ」

なるほど。分かったようで全く分からない(笑)
そこでさらに話を聞くと、実は過去にピアノの経験があり、ある程度和声の感覚が頭の中で自然と養われているようだ。プロのギタリストが初見でコード進行を想像して即興演奏できるような感覚に近いのかもしれない。

今回取材に協力して頂いた口笛サークル「すすきののす」は現在も会員を募集中!アットホームな雰囲気で口笛を楽しむ「すすきののす」は口笛初心者から上級者、幼児から高齢者まで誰にでもお勧めできるサークルでした。入会、見学のための連絡先等は口笛サークルの紹介ページをご覧下さい。

*取材、撮影に快くご協力を頂きましたすすきののす関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。

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