くちぶえ音楽院https://torinaki.com口笛の吹き方と上達のためのコツTue, 26 Mar 2024 23:47:11 +0000jahourly1https://torinaki.com/wp-content/uploads/cropped-f_f_event_38_s512_f_event_38_0nbg-32x32.pngくちぶえ音楽院https://torinaki.com3232 口笛世界大会:WWC2024https://torinaki.com/%e5%8f%a3%e7%ac%9b%e4%b8%96%e7%95%8c%e5%a4%a7%e4%bc%9a%ef%bc%9awwc2024/https://torinaki.com/%e5%8f%a3%e7%ac%9b%e4%b8%96%e7%95%8c%e5%a4%a7%e4%bc%9a%ef%bc%9awwc2024/#respondThu, 30 Nov 2023 21:59:13 +0000https://torinaki.com/?p=5246

このページでは、口笛世界大会2024(The 46th World Whistlers Convention 2024、WWC2024)の概要と結果について掲載しています。 大会の概要は以下の通りです。尚、WWCは201 ... ]]>

このページでは、口笛世界大会2024(The 46th World Whistlers Convention 2024、WWC2024)の概要と結果について掲載しています。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、WWCは2016年7月に第1回が開催され、今回が4回目の開催となります(西暦偶数年、隔年開催。2020年は開催中止)。

大会名称(英)The 46th World Whistlers Convention 2024
大会名称(日)第46回口笛世界大会2024
略称WWC2024
開催地川崎市男女共同参画センター・すくらむ21ホール(850席)
主催者ジャパン・ウィスリング・コンフェデレーション
審査員分山 貴美子
柴田 晶子
森 りか
竹内 亮介
音源審査受付期間2023/12/1 ~ 2023/12/31
大会開催期間2024/5/30 ~ 2024/6/2
予選審査料3,000円
但し、18歳未満 1,500円
本選審査料成人 15,000円
シニア 10,000円
チャイルド・ティーン 5,000円
*音源伴奏カテゴリーの費用を示しています。出場カテゴリーにより異なるので詳細は主催者HPをご確認ください。
一般入場料無料(未就学児入場不可)
*2024年5月30日は有料、5月31日~6月2日は無料

審査カテゴリー

以下の部門ごとに審査が行われ、各部門、3位まで表彰されます(アライドアーツの各部門は2位まで)。

また、総合順位は決定されないため、各部門ごと、延べ7名の世界チャンピオンが誕生することになります

音源伴奏
成人部門
自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:18歳以上(65歳以上も可、但しシニア部門との重複出場は不可)
音源伴奏
ティーン部門
自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:13歳以上、17歳以下
音源伴奏
チャイルド部門
自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:12歳以下
音源伴奏
シニア部門
自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:65歳以上
弾き吹き部門自身で楽器を演奏しながら口笛を吹く部門(弾き語り)。楽曲や楽器の種類は自由。但しセッティングに時間のかからない楽器に限る(ピアノ、ウクレレ、ギター、オートハープなどは可)。
対象:全年齢
アライドアーツ
ソロ部門
総合芸術部門。口笛に別の要素を加え自由にパフォーマンスを行う部門(口笛+ダンス、口笛+寸劇など)。構成は自由。手笛・指笛など手を使用するスタイルはアライドアーツ部門のみ可。
対象:全年齢、口笛演奏人数1名、共演者数は自由
アライドアーツ
アンサンブル部門
総合芸術部門。口笛に別の要素を加え自由にパフォーマンスを行う部門(口笛+ダンス、口笛+寸劇など)。人数・構成は自由。手笛・指笛など手を使用するスタイルはアライドアーツ部門のみ可。
対象:全年齢、口笛演奏人数2名以上、共演者数は自由

出場者プロファイル

予選出場者数:延べ170名

  • 音源伴奏:102名
    • 成人部門:70名
    • ティーン部門:16名
    • チャイルド部門:5名
    • シニア部門:11名
  • 弾き吹き部門:21組
  • アライドアーツ:16組
    • アンサンブル部門:11組
    • ソロ部門:5組

国籍:7カ国

  • Japan
  • USA
  • Canada
  • China
  • India
  • Malaysia
  • Nederland

審査結果

大会開催後にアップデート予定(2024年6月2日以降)。

音源伴奏
成人部門
1位
2位
3位
音源伴奏
ティーン部門
1位
2位
3位
音源伴奏
チャイルド部門
1位
2位
3位
音源伴奏
シニア部門
1位
2位
3位
弾き吹き1位
2位
3位
アライドアーツ
ソロ部門
1位
2位
アライドアーツ
アンサンブル部門
1位
2位
免責事項

大会へ参加する際は、必ず大会公式サイトにて最新の情報をご確認の上、ご自身の責任でご応募ください。

くちぶえ音楽院は本大会の開催・運営には一切関与しておりません。

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国際口笛コンテスト:MMW2023https://torinaki.com/mmw2023/https://torinaki.com/mmw2023/#respondSun, 12 Mar 2023 12:27:15 +0000https://torinaki.com/?p=5178

このページでは、国際口笛コンテスト(The MASTERS of Musical Whistling 2023, MMW2023)の概要と結果について掲載しています。 大会の概要は以下の通りです。尚、MMWは2015年7 ... ]]>

このページでは、国際口笛コンテスト(The MASTERS of Musical Whistling 2023, MMW2023)の概要と結果について掲載しています。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、MMWは2015年7月に第1回が開催され、今回が4回目の開催となります(西暦奇数年の隔年開催。2021年は開催中止)。

大会名称(英)The MASTERS of Musical Whistling 2023
大会名称(日)国際口笛コンテスト 2023
略称MMW2023
開催地アメリカ カリフォルニア州 Barnsdall Gallery Theater
主催者Carole Anne Kaufman (The Whistling Diva)
審査員Ryosuke Takeuchi
Derek Bodkin
Melodee Fernandez
Geert Chatrou
音源審査受付期間2023/4/21 ~ 2023/5/20
大会開催期間2023/9/22 ~ 2023/9/24
予選審査料25 USD
本選審査料1部門100 USD
追加1部門ごとに+75 USD
一般入場料125 USD
*すべてのイベントに参加出来るAll-Access Passの価格

審査カテゴリー

音源審査により、Stage 1(初級)、Stage 2(中級)、Stage 3(上級)の3つのグループにレベル分けされます。世界チャンピオンとなるためには音源審査でStage 3に分類されることが必須条件となります。

部門ごとの順位に加え、総合順位が別途決定され、1名の世界チャンピオンが誕生します。

音源伴奏部門
(クラシック)
自身で予め準備(録音)した伴奏に合わせクラシック楽曲を口笛で演奏する部門
対象:Stage 2,3
音源伴奏部門
(ポピュラー)
自身で予め準備(録音)した伴奏に合わせ現代曲(ポップス)を口笛で演奏する部門
対象:Stage 1,2
生バンド部門
(ポピュラー)
主催者が手配したバンドによる生演奏に合わせ、現代曲を口笛で演奏する部門
対象:Stage 3
弾き吹き部門自身で楽器を演奏しながら口笛を吹く部門(弾き語り)。楽曲や楽器の種類は自由
対象:Stage 1~3
アライドアーツ総合芸術部門。口笛に別の要素を加え自由にパフォーマンスを行う部門(口笛+ダンス、口笛+寸劇など)
対象:Stage 1~3

審査結果

審査結果は以下のとおりです(Stage 1,2は割愛)。

世界チャンピオンJay Winston (USA)
総合1位 Ayna Ziordia Botella (Spain)
2位 Molly Lewis (USA)
3位 Yuki Takeda (Japan)
音源伴奏部門
(クラシック)
1位 Jay Winston (USA)
2位 Yuki Takeda (Japan)
3位 Brian Crowley (USA)
生バンド部門
(ポピュラー)
1位 Ayna Ziordia Botella (Spain)
2位 Jay Winston (USA)
3位 Molly Lewis (USA)
Breakout Award: Mike Shenin (Canada)
弾き吹き部門1位 Yuki Takeda (Japan)
2位 Davitt Felder (USA)
3位 Ryan Engstrom (USA)
アライドアーツ1位 Emily Kehmeier (USA)
2位 Ayna Ziordia Botella (Spain)
3位 Hikari Fukushima (Japan)
免責事項

大会へ参加する際は、必ず大会公式サイトにて最新の情報をご確認の上、ご自身の責任でご応募ください。

くちぶえ音楽院は本大会の開催・運営には一切関与しておりません。

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小暮裕司:口笛世界大会2022優勝https://torinaki.com/kogure/https://torinaki.com/kogure/#respondSun, 06 Nov 2022 07:05:31 +0000https://torinaki.com/?p=5097

口笛世界大会2022(The 45th World Whistlers Convention 2022, WWC2022)で、口笛世界チャンピオンとなった小暮裕司さんより優勝者メッセージを寄稿頂きました]]>

2022年10月、神奈川県川崎市で開催された口笛世界大会2022(The 45th World Whistlers Convention 2022)で、見事、口笛世界チャンピオンとなった小暮裕司さんより、優勝者メッセージを寄稿頂きました。

普段は、看護師として医療現場で活躍されているという小暮裕司さん。どのように口笛と出会い、世界チャンピオンにまで登り詰めたのでしょうか。

大変読み応えのある内容となっていますので、是非、ご覧ください。

小暮裕司さんの大会成績
  • 2016年 口笛世界大会 成人男性音源伴奏部門 5位
  • 2018年 口笛世界大会 成人音源伴奏部門 3位
  • 2018年 おおさか口笛音楽コンクール 3位
  • 2022年 口笛世界大会2022 成人音源伴奏部門 優勝

はじめに

 この度、2022年10月7日~9日に行われました第45回 口笛世界大会2022にて優勝という喜ばしい結果を残すことが出来ました。この場をお借りして、口笛音楽の奥深い世界に興味を持たれた方やコンクール等でより高みを目指したい方々に少しでも参考になるよう執筆いたしました。

 拙文にて恐縮ですが、ご一読いただけましたら幸いです。

小暮裕司

口笛世界大会(WWC2022)について

 ここでは簡単に口笛世界大会(以下WWC)の概要について紹介いたします。コンテストのルール等の詳細につきましては公式ウェブサイトをご参照下さい。

 WWCは、隔年で開催される口笛音楽専門の大会です。高い技術を持った口笛奏者が参加されるコンテストはメインイベントの一つではありますが、それだけでなく口笛音楽の普及・音楽性の探求など幅広い理念のもと開催されております。そのため、コンテストに出場されない方はもちろん、口笛を吹けない人や口笛音楽の雰囲気を楽しみたい方でも自由に参加できます。

 世界大会と言われるとちょっと敷居が高い…と思われる方もおられるかもしれませんが、全くそんなことは無く口笛音楽に興味のある方なら誰でも仲間に入れる暖かい世界です。今後のWWCも今年以上に盛り上がることを期待してやみません。

大会を振り返って

 以下では、私が参加致しましたコンテストについて振り返っていきます。

 WWCのコンテストには大きく分けて3つの部門があります。私は今回、成人音源伴奏部門に出場致しました。

  • 予め用意した音源をバックに演奏する「音源伴奏部門」(年代別)。
  • 他の楽器を演奏しながら口笛を吹く「弾き吹き部門」
  • 口笛を生かしたパフォーマンスが求められる「アライドアーツ部門」

 大会初日。私は今回大会より導入された出場時の音源審査においてシード権を勝ち取っており、一次予選は見学となりました。4年ぶりの大会開催とあって、ベテラン勢の方々の気合の入り方はもちろん、新しい口笛奏者の顔ぶれもあり、大賑わいのコンテストとなっておりました。一次審査に参加された出場者のうち二次審査に駒を進めたのは、約2割~3割程度でした。

 大会2日目。本選進出のかかった二次予選が開始です。私自身、4度目のコンテストでさすがに場慣れもしており、十分な準備期間もあった為、あまり緊張せず一発勝負にしては及第点の実力を出し切ることができました。結果は無事通過。ある程度の手ごたえはありましたが、当然名前が呼ばれるまでは分かりません。一番手で名前が呼ばれたときは、ほっと胸をなでおろしました。

 いよいよ本選が開始です。私の出番は同部門の一番手。音楽コンテストに出場経験がある方なら分かるかと思いますが、一般的に一番手は不利になりやすいとされています。どうしても後から聞いた演奏の方が印象に残るからです。しかしながら、審査員は経験・実績豊富な方々。実力さえ出し切れれば公平なジャッジをしていただけると確信しておりましたし、一番手の不利を跳ね返すくらいの圧倒的なパフォーマンスをしよう!という強い意気込みで臨みました。

 演奏を終えた感覚としては、気合の入り過ぎか少し力が入ってしまったため、音の伸びやかさやツヤに欠けてしまいましたが、致命的なミスはなくまとめ上げることができました。その後、客席でその後の出場者様の演奏を聴かせていただきましたが、どの演奏も大変素晴らしく、コンテストがどのような結果に終わるか私自身全く想像がつきませんでした。

 全ての演奏が終わり、ついに入賞者の発表です。成人部門は5位からが入賞となります。5位、4位…と名前を呼ばれていき、2位まで名前を呼ばれなかったときは1位か入賞外かの二拓なので、ここ数年で一番緊張しました。1位で名前を呼ばれたときは、どう反応していいか分からず自分自身もよく覚えていません。気が付けば舞台上でトロフィーを受け取り、少し涙していました。しばらくは優勝したという実感が全く湧かず、舞台上の写真撮影で「優勝者」や「チャンピオン」と呼ばれても、一瞬振り向くのが遅れるほどでした。

 今、改めて振り返ってみると、本格的に優勝を目指して臨んだ初めてのWWCでこのような結果を収めることができ、感無量の一日となりました。

WWC2022で優勝した小暮裕司

口笛音楽との出会い~世界大会への挑戦

 私と音楽との出会いは幼少からでした。母によると、私は物心がつく前からおもちゃのピアノで遊んでいたそうで、小学生の頃にはクラシックピアノを習い始めました。小さいころから平坦な道よりも茨の道の方が好きで、当時のピアノの先生から次にレッスンに使う教本を選ぶ際に、「簡単な方」と「難しい方」のどちらが良いかと聞かれ、「難しい方!」と即答し先生をびっくりさせたそうです。

 学生時代はピアノの練習に励む傍ら、吹奏楽やオーケストラに所属し私のそばにはいつも音楽がありました。一方で、口笛は小学生の頃から何となく簡単な曲が吹けた程度で、当時はちょっとした特技程度でしかありませんでした。

 本格的な口笛音楽との出会いは今から10年ほど前のこと、たまたまテレビ番組で紹介された口笛奏者の演奏を聴き、感銘を受けたことが最初のきっかけです。それから間もなくして、口笛の世界大会の存在を知り、いつか腕試しをしたいと思うようになりました。

 そこから本格的に口笛音楽の世界に足を踏み入れ、様々な技術の獲得に励むようになり、このころから多くの口笛仲間たちとの交流を始めるようになりました。また、技術的にも進歩があり、地元のローカルラジオやちょっとしたイベントでの招待演奏の依頼を頂くようになりました。

 初めての世界大会出場は2016年。当時は腕試しの目的で予選突破できれば上出来くらいに考えていましたが、思いがけず5位入賞という結果となり一層のモチベーションとなりました。これを機に、私はより高みを目指して様々な取り組みをしていきました。

口笛を演奏する小暮裕司

弱点克服のために学んだジャズ

 2016年の世界大会で5位入賞を果たした私ですが、ひとつ大きな弱点がありました。それはクラシック以外の音楽に理解が殆どなかったことです。実際、クラシックのスコアシートでは3位以内の高い評価を頂くことが多かったですが、ポピュラーでは10位近い順位が目立ち大きくスコアを落としていました。純粋なクラシック音楽しか学んで来なかった私にとって、ポピュラーミュージック特有のリズムのノリや楽譜の枠にとらわれない自由な表現といった部分の理解が難しく、この部分が大きな足かせとなっていると考えました。

 そこで、クラシック音楽と対比されることの多いジャズを学ぶことで、その弱点を克服すると同時に、より幅広い音楽性を追求していきました。ジャズは現役のジャズピアニストの先生にレッスンを受け、基礎的なジャズの音楽理論からリズムのノリ、即興演奏といった自由な音楽表現など今まで経験したことのない新しい音楽について理解を深めていきました。

 そうして臨んだ次の世界大会では同部門で3位と結果を出すことができ、一層自信につながりました。このときから、更なる高みを目指して練習するようになり、演奏の技術の鍛錬と音楽性を追求していきました。私生活では数年前に結婚し、我が子の誕生に立ち会う経験もしました。一時期は慣れない育児やコロナ禍での生活の変化から、音楽や口笛としばらく離れてしまった時期もありましたが、それでも音楽はより強い味方として私の元へ戻ってきてくれました。

家族と一緒の小暮裕司

 こうしたライフイベントや様々な経験が、私の音楽性に大きな変化を与えたのは言うまでもありません。今回の世界大会の演奏には、この数年で体験した感情の全てを込めました。技術的にはまだまだかもしれませんし、演奏者のバックグラウンドなどは採点基準には入らないものですが、この優勝は間違いなく私を支えてくれた全ての人がもたらしてくれたものです。本当にありがとうございました。

仲間と共に(小暮裕司)

アートとしての口笛音楽発展を意識した選曲

 私がコンテストで演奏するにあたり、特に意識していることの一つが選曲です。私のコンテストでの選曲にはいくつかのモットーがあります。

  1. 音楽的に世界的な評価が高く、世界大会での演奏にふさわしい曲であること。
  2. 口笛演奏に適した音域、速度、音楽性でありながら、求められる技術が高いこと。
  3. 今まで口笛の大会で演奏されていないこと。

 他にも細かいことはありますが、これらを重要視しています。もちろん、全ての条件に合う曲を見つけるのは簡単ではありませんが、妥協せずに続けたところ私の演奏を楽しみにして下さる方が増えてきてくれました。もちろん、コンテストで勝ち残るためには過去に演奏された実績のある曲を研究することは堅実で優れた作戦です。しかし、私は前述したように茨の道を好むタイプなので、コンテストの点数として多少のリスクは負っても、自分自身も聴衆の皆様も盛り上がるような選曲を常に目指しています。それは、この口笛世界大会が目指す「アートとしての口笛音楽の発展」につながるひとつの要素だと私は信じておりますし、もし思うような結果が出なかったとしても自分にとって最も後悔のない選択だと思うからです。

 その点において、本選のクラシックで演奏した「セザール・フランク作曲 ヴァイオリンソナタ イ長調」は、今までの私の集大成でもあり、最高のパフォーマンスができると確信した一曲です。実は、コンテストとして技術的な点数を取りやすい曲なら他にいくつか候補があったのですが、私はこの曲にすっかり魅せられてしまい、「この曲を大舞台で演奏したい」、「世界中の口笛奏者に知ってもらいたい」という一心で選曲しております。今でも私にとって大切な一曲です。

 また、ポピュラーは世界的ベーシストの中山 英二さんのオリジナル曲「Eiji’s folk song」を演奏しました。この曲はライブで偶然聴いたときに”一聴き惚れ”し、帰ってからもずっと口笛で吹いていたくらい心を打たれたものですが、コンテストの候補には入れられませんでした。演奏するには、楽譜もなければ音源伴奏も手に入らないからです。ところが、しばらくしてからありがたいご縁があり、中山先生本人が演奏指導や音源伴奏の提供をしていただけることになりました。この素晴らしいご縁には感謝しかありません。

 この曲は、先ほどのクラシックとは一転して非常にテクニカルな超難曲です。技術的には今の私ができる限界に近いレベルで、これも一つの大挑戦となりました。猛勉強したとはいえ、まだまだジャズは浅学なため、この曲の魅力をしっかりとお伝え出来たかは分かりませんが、吹き切ったときの満足感はこれ以上無いものでした。これは結果論かもしれませんが、自分が目指す口笛音楽の理想を追求することが、最も良い結果につながるのだと今回の経験から学びました。

スピーチする小暮裕司

おわりに~今後の抱負~

 幼少の頃から始めた音楽がこのような形で花を咲かせることになるとは一昔前までは思いもしませんでしたが、今ではこれが私の一番やりたい音楽の一つの形です。

 これからはこの経験を糧に、一層技術と音楽性を磨き、口笛音楽の奥深さや素晴らしさを多くの人に広める活動をしていけたらと考えております。今後のコンテストにも別部門で出場を続けていく予定ですので、また世界大会の会場でお会いしましょう。もしどこかで見かけましたら気軽に話しかけてください。

 最後になりますが、今までご支援頂きました多くの方々、そしてこの素晴らしい大会の開催・運営に携わられたすべての方々に心からの感謝を表します。お読みいただきありがとうございました。

口笛世界大会:WWC2022 口笛世界大会:WWC2022 ]]>
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口笛世界大会:WWC2022https://torinaki.com/wwc2022/https://torinaki.com/wwc2022/#respondFri, 29 Apr 2022 04:00:57 +0000https://torinaki.com/?p=4723

口笛世界大会(The World Whistlers Convention 2022、WWC2022)の概要を掲載しています。エントリー受付期間:2022/5/1~2022/5/31、コンテスト:2022/10/7〜2022/10/9、場所:国際交流センターホール(神奈川県)]]>

このページでは、口笛世界大会2022(The World Whistlers Convention 2022、WWC2022)の概要と結果について掲載しています。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、WWCは2016年7月に第1回が開催され、今回が3回目の開催となります(西暦偶数年、隔年開催。2020年は開催中止)。

大会名称
正式名称The 45th World Whistlers Convention 2022
略称WWC2022
日本語名称第45回口笛世界大会2022
場所
開催地神奈川県川崎市
会場国際交流センターホール(264席)
運営
主催ジャパン・ウィスリング・コンフェデレーション
審査員分山 貴美子
柴田 晶子
森 りか
竹内 亮介
タイムライン
音源審査受付期間2022/5/1~2022/5/31
審査結果通知2022/7/7
大会開催期間2022/10/7~2022/10/9
費用
音源審査料(予選)3,000円
但し、18歳未満 1,500円
本選審査料成人 14,000円
シニア 10,000円
チャイルド・ティーン 5,000円
*音源伴奏カテゴリーの費用を示しています。出場カテゴリーにより異なるので詳細は主催者HPをご確認ください。
一般入場料無料(未就学児入場不可)

WWC2022

審査カテゴリー

以下の部門ごとに審査が行われ、各部門、3位まで表彰されます(音源伴奏カテゴリー成人部門のみ5位まで)。

また、総合順位は決定されないため、各部門ごと、延べ6名の世界チャンピオンが誕生することになります。

審査部門概要
音源伴奏:成人部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:18歳以上(65歳以上も可、但しシニア部門との重複出場は不可)
音源伴奏:ティーン部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:13歳以上、17歳以下
音源伴奏:チャイルド部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:12歳以下
音源伴奏:シニア部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:65歳以上
弾き吹き自身で楽器を演奏しながら口笛を吹く部門(弾き語り)。楽曲や楽器の種類は自由。但しセッティングに時間のかからない楽器に限る(ピアノ、ウクレレ、ギター、オートハープなどは可)。
対象:全年齢
アライドアーツ総合芸術部門。口笛に別の要素を加え自由にパフォーマンスを行う部門(口笛+ダンス、口笛+寸劇など)。人数・構成は自由。手笛・指笛など手を使用するスタイルはアライドアーツ部門のみ可。
対象:全年齢

出場者プロファイル

出場者:延べ103名

    • 音源伴奏:92名
      • 成人1次予選 50名
      • 成人2次予選 15名
      • シニア 9名
      • ティーン 10名
      • チャイルド 8名
    • 弾き吹き:12名
    • アライドアーツ 11組

国籍:9カ国

    • Australia 2名
    • Canada 1名
    • China 2名
    • India 1名
    • New Zealand 1名
    • Japan 76名
    • Portugal 1名
    • Spain 1名
    • USA 18名

審査結果

大会結果は以下の通りです。

審査部門受賞者
音源伴奏:成人部門1位 Yuji Kogure 小暮 裕司, Japan
2位 Yuki Takeda 武田 裕煕, Japan
3位 Masashi Ebihara 海老原 雅司, Japan
4位 Masato Kawasaki 川崎 雅人, Japan
5位 Toru Kusanagi 草薙 透, Japan
音源伴奏:ティーン部門1位 Shin, Japan
2位 Joshua Yang, USA
3位 Masakaze Takamatsu 高松 正風, Japan
音源伴奏:チャイルド部門1位 Teppei Kawamoto 川本 哲平, Japan
2位 Shungo Chiba 千葉 俊冴, Japan
3位 Yuito Ishino 石野 維人, Japan
音源伴奏:シニア部門1位 Yoko Abe 阿部 洋子, Japan
2位 Seiichi Kuraki 倉木 成伊知, Japan
3位 Tadao Kono 河野 忠夫, Japan
弾き吹き1位 Takumi Gima 儀間 太久実, Japan
2位 Yuki Takeda 武田 裕煕, Japan
3位 Akane Takahashi 高橋 茜, Japan
特別賞 Sachiko Ando 安藤 幸子, Japan
アライドアーツ1位 Takumi Gima 儀間 太久実, Japan
2位 Yuki Takeda 武田 裕煕, Japan
3位 EX-F, Japan


参考
口笛世界大会大会公式サイト

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https://torinaki.com/wwc2022/feed/0
松村祐甫:Global Whistling Championship 2021優勝https://torinaki.com/matsumura/https://torinaki.com/matsumura/#respondFri, 28 Jan 2022 23:15:10 +0000https://torinaki.com/?p=4561

国際口笛コンテストGlobal Whistling Championship 2021で優勝した口笛奏者 松村祐甫さんにくちぶえ音楽院が独占インタビュー。優勝に至るまでの経緯も詳しく伺いました。]]>

2021年12月に開催された口笛のグローバルオンラインコンテスト「Global Whistling Championship 2021(GWC2021)」において、見事、口笛世界チャンピオンとなった松村祐甫さんにくちぶえ音楽院が独占インタビューを行いました。

現在は、ドイツのトロッシンゲンにある音楽大学で声楽(バス)を勉強中という松村さん。どのようにして口笛世界チャンピオンにまで上り詰めたのか、その軌跡を伺います。

Biography

経歴

  • 2018年 東京学芸大学大学院 音楽教育専攻 声楽分野 卒業
    (2017 – 2018年 Universität Heidelberg 交換留学)
  • 2022年1月現在 Musikhochschule Trossingen 声楽専攻(ドイツ)

主な大会成績

  • 2015年 第7回おおさか国際くちぶえ音楽コンクール 5位
  • 2020年 Global Whistling Championship 2020 総合4位、審査員賞1位
  • 2021年 Global Whistling Championship 2021 優勝

1. 口笛との出会い

くちぶえ音楽院 鳥鳴響:この度は優勝おめでとうございます!2020年の同大会では惜しくも総合4位(審査員票 1位)という結果でしたが、2021年12月開催のGWC2021で、遂に口笛世界チャンピオンとなりました。今の気持ちをお聞かせください。

口笛奏者 松村祐甫:本日は貴重な機会を頂きありがとうございます。実は、くちぶえ音楽院の優勝者インタビューは以前から拝見しており、いつか、自分も掲載されたいという思いで頑張ってきました。遂に念願のインタビューを受けることが出来、大変光栄に感じています!

ーー松村さんは幼少のころから、口笛が得意だったのでしょうか?

いえ、実は、小学生の頃までは口笛の音を出すことさえ出来ませんでした。

中学校に入学してから吹奏楽部でチューバを吹き始めたのですが、その頃から自然に口笛も吹けるようになり、特に練習した記憶もないのですが、中2の頃には3オクターブの音域を自在に操ることが出来るようにまでなりました。

チューバと口笛は一見、無関係のように感じられるかもしれませんが、実際には、口周辺の筋肉(口輪筋)の使い方や、腹式呼吸など、共通する点が多くあります。はっきりしたことは分かりませんが、チューバの練習が、結果として、口笛が吹けるようになるきっかけとなったように感じています。

松村祐甫

2. 口笛コンテストに応募するも予選落ち

ーーチューバの練習が、口笛上達のきっかけになったというエピソードは、口笛奏者に金管楽器経験者が多いこととも共通していて、とても興味深いですね。当時からコンテストへの出場を意識していたのでしょうか?

友達や親戚から、口笛を褒めてもらう機会が多かったこともあり、口笛が自分の特技であるという自覚はあったのですが、口笛に世界コンテストがあることを当時、知りませんでした。ただ、たまたま見たテレビ番組で、口笛世界チャンピオンの演奏を聴く機会があり、その頃から、コンテストに興味を持つようになりました。実際に、初めて口笛コンテストに応募したのは、大学3年生の時です。

ーー結果はどうでしたか?

惨敗です。口笛の実力には自信があり、10位入賞は狙えるだろうと自負していたのですが、口笛を人前で吹くのは想像以上に難しく、練習では簡単に吹けていたフレーズであっても、コンテスト当日は満足のいく演奏をすることが出来ませんでした。

ーー高い実力を持ちながらも、それを当日発揮することが出来なかったことが敗因だったわけですね。

はい、当時、そのように捉えていました。ただ、その翌年に開催された国際口笛大会では、予選が音源審査で行われたのですが、そこでもまさかの予選落ちという結果でした。集中できる環境で、自分の最大限の実力を収音した音源であっても予選通過することが出来なかったので「実力ならだれにも負けていないが、緊張には弱い」という自己分析は完全な誤りで、実力自体が足りていなかったことに気づかされました。

ーー大会への出場を通して、客観的な自己分析に繋がったわけですね。

その通りです。実際、他の大会出場者の演奏技術は圧倒的で、当時、自分には難しかったウォーブリングと呼ばれる特殊奏法なども、当然のように吹きこなす奏者ばかりであることに衝撃を受けるとともに、世界レベルの口笛の凄さを痛感しました。

3. ボランティア演奏をきっかけとした転機

ーーコンテスト出場を通して、ご自身の実力を客観的に知ることとなったわけですが、どのように受け止められたのでしょうか?

「悔しい」というのが正直な気持ちですが、それと同時に、自分の潜在能力はこんなものではない、次こそは何としても勝ちたい!という思いを一層強くしました。

自分の弱みを知り、勝つための対策を立てるため、プロの口笛奏者のレッスンを受けに行ったのですが、そこで「まずは基礎力をつけたほうが良い。ロングトーンの練習から始め、レパートリーも無理なく吹ける曲を選んでみてはどうか?」との助言を頂きました。当時は難しい楽曲の練習にばかり取り組んでいましたが、それ以降は練習メニューを抜本的に見直し、ロングトーンなどの基礎練習や、ゆっくりとした楽曲の演奏を丁寧に練習するよう心がけるようになりました。

ーー口笛に限ったことではありませんが、基礎力をしっかりと磨くことは大切ですね。当初の課題であった「人前で実力を発揮出来るようになるための対策」は何か取られたのでしょうか?

大学4年の頃に地元のボランティアセンターに登録しました。「口笛演奏」という一風変わった音楽ジャンルということもあり、最初のうちは、それほど多くのご依頼を頂くことはなかったのですが、演奏回数を重ねるごとに徐々にクチコミが広がり、最終的には週1回のペースで、年間50回もの演奏をご依頼いただけるようになりました。

私はもともと引っ込み思案な性格で、人前での演奏に対する苦手意識のようなものがあったのですが、ボランティア演奏を通し、多くのお客様の暖かさに触れることで、人前で演奏することの楽しさを自然と感じられるようになりました。

お客様の中には、事務対応等の運営を自主的に手伝ってくださる方もあり、また、大学の友人にもピアノ伴奏やゲスト出演で多大な協力を頂きました。彼らのサポート無しに年50回もの演奏を実現することは出来なかったので、様々な形で協力してくれた方々や、演奏に足をお運び頂き励ましの言葉を下さったお客様には今でも感謝しています。

ーー周囲の暖かいご支援に恵まれ、当初の課題も克服することが出来たことは大変素晴らしいですね。数多くのボランティア演奏を行う過程で、口笛演奏に対する考え方の変化は何かあったのでしょうか?

はい、人前で演奏する機会が増えることに伴い、口笛演奏に対する意識や考えも少しずつ変化しました。「その音楽表現」は聞き手にとって心地良いか、音程やピッチは正確か、また、選曲が客層に合っているか、といったことを自然に考えるようになりました。

今、振り返ってみると、ボランティア演奏を繰り返し行ったことが「趣味の口笛」から、聞き手を前提とした「口笛奏者としての演奏」への転機になったように思います。

ボランティア演奏を徹底的に行った翌年に出場したコンテストでは、遂に、5位入賞を果たすことが出来ました。

ーー練習方法を変え、場数をこなし、演奏に対する心構えまでを変化させ、遂に勝ち取った入賞ということで、喜びもひとしおだったのではないでしょうか。

これまで積み重ねてきたことが、間違っておらず成果に繋がったという意味で、大変嬉しく感じました。ただ一方で、5位を取れる実力があるのであれば、今後、優勝を狙うことも出来るのではないかという新たな思いを抱くようになりました。

松村祐甫(大学生時代)

4. ドイツへの音楽留学によって変化した音楽観・口笛観

ーーその後、音楽を学ぶためドイツへ留学することになります。ドイツ留学は口笛演奏にどのように影響したのでしょうか?

ドイツでは「口笛奏者」「口笛音楽」に対する認知度が日本に比べ低いこともあり、ドイツで口笛を演奏すると日本とは比べられないほど多くの反響を頂けることが、口笛練習の励みになりました。

また、日本では口笛奏者という存在が一般にもある程度浸透していることもあり、他の口笛奏者を意識した演奏とせざるを得なかったのですが、ドイツではそのようなことが全くないので、他の奏者との差異化や制約を一切意識することなく「自分らしい演奏」に純粋に注力することが出来るようになりました。それによって自身の音楽観、口笛観も大きく変化しました。

ーー現在の松村さんの演奏スタイルは、ドイツ留学を機に確立されたわけですね。

はい。特に「ダイナミクス(音量変化の幅)」と「音楽表現」を強く意識しています。

現在、ドイツの音楽大学では声楽を専攻しているのですが、体内の空間をうまく活用し、声を「共鳴」させることで、ホール全体に響く大きな音を生み出すことが出来ます。この技術を口笛へ応用することで、口先で強く息を吹かなくても、遠くまで届く大きな音を安定して出すことが出来るようになり、実際、マイク無しでも400席規模のホールで口笛を大きく響かせて演奏出来るようになりました。大きな音が出せるようになるほど、小さな音との差が生まれることになるので、これが現在の持ち味の1つである「ダイナミクス」に繋がっています。

また「音楽表現」についてですが、ドイツ留学後は、徹底的な楽譜の分析を事前に行うようになりました。個々の音符を1つのまとまりとしてどう捉え、表現するか、和声の中における各音符の意味付け、理解を行うことで、口笛演奏における音楽表現の幅を拡大することが出来たように感じます。

松村祐甫(ドイツでの演奏)

5. 口笛世界チャンピオン獲得

ーー予選落ちという苦い経験に始まり、ボランティアでの下積み、そして、ドイツ留学での音楽的成長という長年の過程を経て、遂に、GWC2021で口笛世界チャンピオンとなられたわけですが、GWC2021では、予選、決勝、どちらも「声楽曲」を演奏されています。選曲にはどのような意図があったのでしょうか?

GWC2021:松村さんの選曲
  • 予選:Ganymed(ガニュメート、声楽曲)
  • 決勝:Je veux vivre(ロミオとジュリエット 私は夢に生きたい、声楽曲)

コンテストの特性上、「〇〇協奏曲」といった早いパッセージの楽曲を選択し、技術で勝負するという選択もありうると思いますが、それでは自分の持ち味を十分に生かすことは出来ないと考えました。

器楽と異なり、声楽曲は歌うことを前提としたフレージングがなされているので、音の構成が自然で、自分が強みとするダイナミクス、音楽表現を最大限に活かすことが出来ます。数ある声楽曲の中から、最も自分に合った2曲を選択し、勝負に臨むことにしました。

ーーGWC2021の映像を拝見すると、2曲とも、録音された伴奏ではなく、生伴奏で口笛を演奏されているように見えます。

予選、本選、どちらも生伴奏です。楽曲にはカデンツァ(即興演奏)が含まれるため、お互いにタイミングを合わせながら演奏することが不可欠だったことに加え、生演奏ならではのライブ感を表現したいという意図がありました。

ーーしかし、GWC2021のルールでは、カメラ、マイクの台数はそれぞれ1台のみに制限されています。生伴奏の場合、口笛とピアノのバランスを取ることがかなり難しかったのではないでしょうか?

はい、実際のところ、10テイク近く、繰り返し録音して、最適なマイクの高さや位置を試行錯誤しました。2日間に亘って何度も生演奏に付き合ってくれたピアニストには本当に感謝しています。

6. 世界一の口笛奏者として

ーー世界一の口笛奏者として、今後、どのような活動を予定しているのかお聞かせください。

観客にオペラと口笛の両方を楽しんでもらえるような演奏形態を確立したいと考えています。実はすでにドイツで演奏依頼を頂いた際に取り入れ始めているのですが、とても好評なので、歌と口笛を組み合わせたレパートリーを更に増やし、自分の持ち味を最大化したいです。

また大学で教育学部を専攻していた経験から「教えること」が好きなので、口笛レッスンを通して口笛奏者の層を厚くすることにも貢献出来たらと考えています。特に、私は口笛の練習に本格的に取り組んでから、世界一になるまでに実に8年を要しました。その間、多くの挫折や、苦労、転機を経て、現在に至っています。その間に蓄積した様々なノウハウや経験を活かし、口笛を練習しても上達出来ず伸び悩んでいる方のサポートが出来たら嬉しいです。

松村祐甫(ホール演奏)


参考
松村祐甫YouTubeチャンネルYouTube

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https://torinaki.com/matsumura/feed/0
Global Whistling Championship 2021:GWC2021https://torinaki.com/gwc2021/https://torinaki.com/gwc2021/#commentsSun, 17 Oct 2021 02:00:06 +0000https://torinaki.com/?p=4515

Global Whistling Championship 2021の概要と結果について掲載しています。GWC2021はオンラインで開催され、YouTubeに投稿された動画が審査対象となります。]]>

このページでは、口笛のグローバルオンラインコンテストであるGlobal Whistling Championship 2021(GWC2021)の概要と結果について掲載しています。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、GWCは今回が2回目の開催となります。

大会名称
正式名称Global Whistling Championship 2021
略称GWC 2021
日本語名称
場所
開催地オンライン開催
プラットフォームYouTube
運営
主催The International Whistlers Guild
審査員Hayden Mapel
Mateja Kalajian
Romu Aoyagi
Blake Birmingham
タイムライン
1次審査受付2021/10/16~2021/10/31
1次審査結果発表2021/11/14
2次審査受付2021/11/15~2021/11/28
2次審査結果発表2021/12/5
一般投票2021/12/6~2021/12/10
最終審査結果発表2021/12/12
費用
エントリー費用20 USD
一般視聴料無料(YouTubeにて公開)

大会ルール

出場資格

  • 誰でも参加可能。プロ、アマチュア、年齢、性別、国籍等は不問。
  • 出場者が18歳未満の場合は、親権者による承諾が必要。
  • 有効なEメールアドレスを所持していること。
  • エントリー費 20アメリカ合衆国ドルを事前納付済であること(IWGメンバー登録を行うと割引クーポンが発行され、実質10ドルで参加可能)。

審査ガイドライン

  • YouTubeに投稿された動画が審査の対象となる。
  • 楽曲のジャンル、年齢、性別等によるカテゴリー分けは行われない。
  • 全応募者の中から上位25名が2次審査に進出し、うち10名が決勝に進出、上位3名が表彰対象となる。
  • 大会審査員による表彰とは別に、一般投票で最も多くの票を得た決勝進出者に対し、People’s Choice Awardが授与される。
  • 50点満点で採点される。内訳は以下の通り。音色10点、音楽性15点、テクニック15点、音程10点。

動画制作ガイドライン

  • 1次審査用と、2次審査用に、各1本、計2本の動画制作が必要。
  • 動画には演奏の様子が収録されていなければならず、音声のみの動画は不可。
  • 音声と映像は同じテイクのものでなければならない。また、複数のテイクを繋ぎ合わせる編集は禁止(複数のカメラを使用し、映像編集することも禁止)。
  • 審査用の動画は原則としてYouTubeに自らアップロードすること(やむを得ない場合はDropbox等でも可)。
  • 口笛の奏法、演奏手法は問わない。一般的なパッカー奏法だけでなく、タッピング奏法ハンドフルート指笛など、手を使う奏法も可。
  • 動画は新作でなければならない。2021年10月16日より前に公開されたことのある動画は不可。
  • 口笛演奏・動画への出演は一人で行うこと。団体での参加は不可。
  • 一切の音響処理を行ってはならない(エコー、リバーブ、EQ、コンプなど、すべて不可)。また、出来るだけ反響の少ない場所での撮影・録音が望ましい。
  • エントリー後の一切の動画修正・変更は認めない。
  • YouTube動画のタイトル、説明欄には以下を記載しなければならない(色付き部分は適宜修正)。

    タイトル
    [GWC 2021] Name (Country/Region(s)) | Song title
    説明欄
    Name | Country/Region(s) | Song title (Composer)

    **Vote for your favorites to help them win the People’s Choice Award! (Public voting period December 6-10, 2021)
    https://whistlersguild.org/vote

    **So you think you can whistle? Join the competition! (Submissions due October 31, 2021)
    https://whistlersguild.org/competitions

    **Please like, comment and share the video to support the contestants! You can see other whistlers by checking the #WhistlingGWC2021 hashtag

    Global Whistling Championship 2021 is organized by the International Whistlers Guild.
    #Whistling

楽曲ガイドライン

  • 課題曲は無し。自由曲のみ。
  • 自由曲の楽曲ジャンルは不問。オリジナル楽曲も可。
  • キーは原曲から変更可。
  • カバー、オリジナル、いずれも可。
  • 楽曲の長さは、1分以上、4分以内であること(4分を超える演奏の場合、4分以降の演奏は審査対象外)。

伴奏ガイドライン

  • 伴奏音源は使用しても、使用しなくても構わない(アカペラ可)。
  • 弾き吹きは禁止。自分で伴奏を演奏する場合は、事前に伴奏を録音し、その伴奏音源にあわせて口笛を吹かなければならない。
  • 生伴奏は可。但し、伴奏者が映像に映り込んではならない。
  • 口笛の音を含む伴奏音源を使用してはならない。
  • 伴奏音源中にボーカル、及び、口笛に類似した楽器の音(リコーダー、ピッコロなど)が含まれてはならない。但し、間奏など、口笛を吹かないタイミングであればこれらの音が含まれていても構わない。
  • 口笛と同じメロディーラインが楽曲の半分以上含まれる伴奏音源を使用してはならない。

審査結果

Global Whistling Champion 2021:Yusuke Matsumura

大会審査員による最終審査結果は以下の通りです。

順位氏名(国籍)
1位Yusuke Matsumura (Japan)
2位Brian Crowley (USA)
3位Sean Devey (USA)
4位Emmanuel Legrand (Belgium)
5位Lina Xie (China)
6位Harumi (Japan)
7位La Silbaora (Spain)
8位Jose Julio Apesteguía (Spain)
9位Masashi Ebihara (Japan)
10位Peri Le Dain (Australia)

GWC2021 People’s Choice Award:La Silbaora

一般投票結果は以下の通りです。

順位氏名(国籍)
1位La Silbaora (Spain)
2位Jose Julio Apesteguía (Spain)
3位Sean Devey (USA)

1次審査通過者リスト(25名)

Abe Yoko
Alex Pinto
Andy Offutt Irwin
Arun Sampath
Ayna La Silbaora
Bijoy Master Whistler
Brian Crowley
Dan Tuite
Dave Santucci
Emmanuel Legrand
Fumiya Mishima
Hannist
Harumi
Jose Julio Apesteguia
Lauren Elder
Lina Xie
Masashi Ebihara
Peri Le Dain
Ryoko T
Sean Berk
Sean Devey
Soren Ostergren
Terry Rappold
Yumiya Nakamura
Yusuke Matsumura

出場者プロファイル

  • 出場者:78名
  • 年齢:7歳~77歳
  • 国籍:17カ国

 


参考
International Whistlers Guild大会公式サイト(英語)

ご注意

大会の応募にあたっては、必ず公式サイトで最新情報を確認の上、自己責任でお申し込みください。また本大会に関しご不明な点は、主催者へ直接お問い合わせいただくようお願いします。
くちぶえ音楽院は、GWC2021の運営には一切関与しておりません。

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https://torinaki.com/gwc2021/feed/6
Global Whistling Championship 2020:GWC2020https://torinaki.com/gwc2020/https://torinaki.com/gwc2020/#commentsWed, 08 Jul 2020 02:00:37 +0000https://torinaki.com/?p=4393

Global Whistling Championship 2020の概要と結果について掲載しています。GWC2020はオンラインで開催され、YouTubeに投稿された動画が審査対象となります。]]>

このページでは、口笛のグローバルオンラインコンテストであるGlobal Whistling Championship 2020(GWC2020)の概要と結果について掲載しています。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、GWCは今回が初めての開催となります。

大会名称
正式名称Global Whistling Championship 2020
略称GWC 2020
日本語名称
場所
開催地オンライン開催
プラットフォームYouTube
運営
主催The International Whistlers Guild
審査員Hayden Mapel
Mateja Kalajian
Romu Aoyagi
タイムライン
エントリー受付2020/7/6~2020/8/6
予選通過者発表2020/8/20
2次審査+一般投票2020/8/20~2020/8/27
最終審査結果発表2020/9/3
費用
エントリー費用10 USD
一般視聴料無料(YouTubeにて公開)

大会ルール

出場資格

  • 誰でも参加可能。プロ、アマチュア、年齢、性別、国籍等は不問。
  • 出場者が18歳未満の場合は、親権者による承諾が必要。
  • 有効なEメールアドレスを所持していること。
  • エントリー費 10アメリカ合衆国ドルを事前納付済であること。

審査ガイドライン

  • YouTubeに投稿された動画が審査の対象となる。
  • 楽曲のジャンル、年齢、性別等によるカテゴリー分けは行われず、全応募者の中から上位25名が決勝に進み、上位3名が表彰対象となる。
  • 50点満点で採点される。内訳は以下の通り。音色10点、音楽性15点、テクニック15点、音程10点。
  • 2次審査では審査員による評価に加え、一般投票による審査がなされる。点数配分は審査員80%、一般投票20%。

動画制作ガイドライン

  • 動画には演奏の様子が収録されていなければならず、音声のみの動画は不可。
  • 音声と映像は同じテイクのものでなければならない。また、複数のテイクを繋ぎ合わせる編集は禁止。
  • 審査用の動画は原則としてYouTubeに自らアップロードすること(やむを得ない場合はDropbox等でも可)。
  • 口笛の奏法、演奏手法は問わない。一般的なパッカー奏法だけでなく、タッピング奏法ハンドフルート指笛など、手を使う奏法も可。
  • 動画は新作でなければならない。2020年7月6日より前に公開されたことのある動画は不可。
  • 口笛演奏・動画への出演は一人で行うこと。団体での参加は不可。
  • 一切の音響処理を行ってはならない(エコー、リバーブ、EQ、コンプなど、すべて不可)。
  • エントリー後の一切の動画修正・変更は認めない。
  • YouTube動画のタイトル、説明欄には以下を記載しなければならない(色付き部分は適宜修正)。

    タイトル
    氏名 (Japan) | 曲名 | Global Whistling Championship 2020 Submission
    説明欄
    #WhistlingGWC2020 #Whistling

    氏名 | Japan | 曲名 (作曲者)
    **Vote for your favorites to help them win! (Public voting period August 20-27, 2020)
    http://whistlersguild.org/vote
    **So you think you can whistle? Join the competition! (Submissions due August 6, 2020)
    http://whistlersguild.org/competitions
    **Please like, comment and share the video to support the contestants! You can see other whistlers by checking the #WhistlingGWC2020 hashtag
    Global Whistling Championship 2020 is organized by the International Whistlers Guild.

楽曲ガイドライン

  • 課題曲は無し。自由曲のみ。
  • 自由曲の楽曲ジャンルは不問。
  • キーは原曲から変更可。
  • カバー、オリジナル、いずれも可。
  • 楽曲の長さは、1分以上、4分以内であること(4分を超える演奏の場合、4分以降の演奏は審査対象外)。
  • 提出できるのは1曲のみ(予選通過後も、決勝用の動画を改めて提出する必要は無い)。

伴奏ガイドライン

  • 伴奏音源は使用しても、使用しなくても構わない(アカペラ可)。
  • 弾き吹きは禁止。自分で伴奏を演奏する場合は、事前に伴奏を録音し、その伴奏音源にあわせて口笛を吹かなければならない。
  • 生伴奏は可。但し、伴奏者が映像に映り込んではならない。
  • 伴奏音源中にボーカル、及び、口笛に似た楽器の音(リコーダー、ピッコロなど)が含まれてはならない。但し、間奏など、口笛を吹かないタイミングであればこれらの音が含まれていても構わない。
  • 口笛と同じメロディーラインが楽曲の半分以上含まれる伴奏音源を使用してはならない。

審査結果

審査結果は以下の通りです。

順位受賞者
1位Frank Oppedijk (Netherland)
2位Brian Crowley (USA)
3位Lauren Elder (USA)
4位Yusuke Matsumura (Japan / Germany)
5位Syster Emma Nissen (Sweden)
6位José Julio Apesteguía (Spain)
7位Cassandra Violet (USA)
8位Roynel Domador (Venezuela)
9位Dave Santucci (USA)
10位Tea てぃー (Japan)

出場者:131名
国籍:23カ国(内、日本からの出場者54名)


参考
International Whistlers Guild大会公式サイト(英語)

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https://torinaki.com/gwc2020/feed/6
柴田晶子:Masters of Musical Whistling 2019優勝https://torinaki.com/shibata/https://torinaki.com/shibata/#respondWed, 11 Mar 2020 09:50:58 +0000https://torinaki.com/?p=4174

米国で開催されたThe MASTERS of Musical Whistlingで見事優勝し口笛世界チャンピオンに輝いた口笛奏者 柴田晶子(しばた あきこ)さんによる口笛大会レポートを掲載]]>

アメリカで開催されたThe MASTERS of Musical Whistling(MMW 2019)において見事優勝し、口笛世界チャンピオンに輝いた口笛奏者 柴田晶子(しばた あきこ)さんに寄稿を頂きました。

柴田晶子さんは、世界的に最も著名な口笛奏者のひとりで、MMW 2019以外にも数多くの受賞経験を持ち、現在もライブ、メディアなどでマルチに活躍する他、口笛講師として後進の育成にも積極的に取り組まれています。

口笛奏者 柴田晶子さんの主な大会成績
  • 2008年 国際口笛大会 成人女性の部・総合2位
  • 2009年 国際口笛大会 成人女性の部・総合3位
  • 2010年 国際口笛大会 成人女性の部・総合優勝
  • 2010年 くちぶえフェスタ「パカラマ!」最優秀賞
  • 2012年 国際口笛大会 成人女性の部・総合優勝
  • 2012年 埼玉県川口市より芸術奨励賞
  • 2014年 国際口笛大会 Entertainer of The Year受賞
  • 2019年 The MASTERS of Musical Whistling・総合優勝
  • 2020年 埼玉県より埼玉グローバル賞を受賞

柴田さんは、MMW2019にどのように向き合い、世界チャンピオンの栄誉を勝ち取ることに成功したのでしょうか。

口笛を趣味とする方や、今後口笛大会へのエントリーを考えている方にとって、多くの示唆を与える寄稿となっていますので、是非最後までご覧ください!

はじめに

2019年8月23日~24日の2日間、アメリカで行われた「マスターズ口笛音楽コンクール」に出場してきました。これから大会出場を目指す方への参考になれば、と大会についてご報告させて頂きます。

口笛奏者 柴田晶子

2019年大会ルール

まず、事前の音源審査によって3つのグループに分けられます。

  • Stage 1(初級)
  • Stage 2(中級)
  • Stage 3(上級)

エントリーできる部門は以下の5つです。

  • 音源伴奏(クラシック)
    メロディを抜いた録音伴奏に合わせて、クラシック曲を演奏する部門。
    *全員がエントリー
  • 音源伴奏(ポピュラー)
    メロディを抜いた録音伴奏に合わせて、ポピュラー曲を演奏する部門。
    *Stage 1(初級)、Stage 2(中級)がエントリー
  • LIVE BAND
    バンドによる生演奏に合わせて演奏する部門。
    *Stage 3(上級)がエントリー
  • 弾き吹き
    ギター、ピアノ、ウクレレなど、楽器演奏をしながら口笛を吹く部門。使用する楽器は何でも良く、選曲のジャンルも自由。
    *Stageに関わらずエントリー可
  • Allied Arts アライドアーツ
    口笛を使っていれば何でも良しのエンターテイメント部門。踊りながら口笛、歌の間奏に口笛、寸劇の中で口笛など、思いついたアイディアでパフォーマンスをする部門。
    *Stageに関わらずエントリー可

審査はStageごと、部門ごとに行われ、最後に総合順位が発表されます。なお、総合の審査にはLIVE BAND部門が必須なので、必然的に、Stage 3の中から世界チャンピオンが選ばれることになります。

開催地パサデナについて

大会の開催地パサデナPasadenaはロサンゼルスの北東に位置する街です。

私は大会前日の8月22日(木)に成田空港を出発し、10時間ほどのフライトを経てロサンゼルス国際空港へ、空港からパサデナまでは、事前にSuperShuttleという乗合タクシーを予約して向かいました。空港から45分ほどでした。メトロを乗り継いでダウンタウン経由でも行けますし、交通の便は良いところです。

ロサンゼルス国際空港(LAX)

パサデナは「オールド・パサデナ」と呼ばれる、昔ながらのアメリカの街並みが残されたエリアが見所です。

パサデナの街並み

良い雰囲気のお店やレストランも多く、ストリートをブラブラ歩くだけでも楽しめました。少し足を伸ばすと、名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で50年代のドクの家として使われた家、Gamble House(ギャンブルハウス)もあります(ちなみに街中の移動はUberが大変便利でおススメです!)。

Gamble House

大会会場は、町の中心部にある「カンファレンス・センター」で、すぐ近くにスターバックス等のお店もたくさんあります。また、会場ロビーにもサンドイッチやドリンクを販売するコーナーがあったので、大会の間に小腹が空いた時にはそこを利用していました。

MMW2019の会場となったカンファレンスセンター

大会初日

1. 受付&オリエンテーション

初日(8月23日金曜日)は朝8時半から受付開始。なかなか早いスタートです

集合時間よりも少し早めに会場付近には到着したものの、入り口がわからずウロウロ・・・困っていると後ろから「アキコ!」と声がかかり、振り向くとスペイン人のJoseさんが私を見つけてくれました。

Joseさんは日本の口笛大会にも参加してくれているので顔見知りの出場者でした。私が口笛の国際大会に初出場したのは2008年なので、それからかれこれ12年、こうして世界中に知り合いが増えていくことが、口笛を続けていて良かったなぁ、と心から思える瞬間でもあります。

会場入り口の受付デスクで名札を受け取り、いよいよ始まるぞ!という雰囲気に。

会場受付付近の様子

続々と集まる出場者としばし談笑などして、その後は部屋に移動してオリエンテーションがスタート。

主催者のCaroleが大会の進め方や注意事項、演奏する際の心構えなどを説明してくれました。もちろん全て英語なので細かいところまで聞き取れず困っていると、参加者の一人である武田裕煕さんが日本語とスペイン語の通訳を買って出てくれました。日本人はもちろん、スペインやペルーからの参加者も多かったのでみんな大助かり。

彼は大会が始まる前から、各国からの参加者がオンラインで交流できる場所を作ってくれたりと、陰ながら大会を支えてくれていました。貴重な人材。ありがとう、武田さん。

2. LIVE BAND部門リハーサル

午後からは、Stage1(初級)の音源伴奏(クラシック・ポピュラー)がスタートし、それと同時に、別会場では翌日のLIVE BAND部門のリハーサルが行われました。

バンドリハーサル

事前に送っておいた楽譜を元に、実際に音合わせをしながら尺やタイミングなど、バンドと打ち合わせます。バンドリーダー・ギタリストのAjayと、彼の率いる3人のメンバーは素晴らしく(キーボードJenny、ドラムEsteban、ベースDamani)、全員分のリハーサルはかなり長い時間に及んだのですが、最後まで出演者からのリクエストにひとつひとつ丁寧に対応してくれました。

このリハーサルですっかり本番への安心感を得られたように思います。

3. アライドアーツ部門

夕方からはAllied Arts アライドアーツがスタート。

このアライドアーツは、国際口笛大会(International Whistlers Convention)時代から続いている部門で、出演者がそれぞれ工夫を凝らしたパフォーマンスを行う、口笛コンクールならではの楽しい部門です。

私は「手回しオルゴールと口笛」の演奏を披露し、お客さんや出演者から大変好評を頂きました。オルゴールと口笛の相性の良さを伝えることができたかなと思います。

大会2日目

4. 音源伴奏部門

二日目の朝は、Stage 2&3の音源伴奏部門から。アルファベット順だったので、私が(AkikoのA)トップバッターでした。ひぇーーー!ドキドキする間もなくスタート。朝イチのトップバッターは、寝起きである上にマイクと伴奏の音量バランスをつかみきれず、難しいことだらけでしたが、終わってしまえばあとはリラックスタイムなのが良いところ。

サラサーテ作曲の「カルメンファンタジー」を演奏しました。完璧とは言えない出来だったけど、吹き慣れた曲なので大きなミスはなかったかな、と思います。

*なお、Stage 2(中級)の参加者は、クラシックの後にポピュラーと、2曲続けて演奏することになります。

5. 弾き吹き部門

午後からは弾き吹き部門がスタート。

出られるものには全部出る」というポリシーのもと、この部門にもチャレンジしてきました。20年ぶりくらいにピアノを猛練習して臨みましたが…これが一番緊張しました

演奏したのはヘンデル作曲の「オンブラマイフ」。心がけたことは、「たとえピアノを失敗しようと、決して動じずに平常心で口笛を吹く」これです。案の定、ピアノは数カ所ミスしたけれど、口笛だけは最後まで美しく演奏できました。もともと大好きな曲でもあるので、曲に没頭できたのが良かったかもしれません。

6. LIVE BAND部門

夕方からはいよいよクライマックスのLIVE BAND部門

この部門の存在が、今回私がこの大会に出場したいと思った大きな理由の1つです。海外で生バンドと一緒に口笛が吹けるなんて、、こんなに貴重な機会はなかなかありません。ただ、なんと、今度はアルファベットの逆順だったので、ラストバッターでした。最後まで緊張が続きます。。

とはいえ、この部門は上級者ばかりでもあり、観客としても大変聞き応えがありました。口笛だけでなく、アンサンブルのバランスや曲との親和性、そしてバンドメンバーとの一体感など、カラオケ伴奏では感じられない多くの要素が加わって、とても面白いなと感じました。生演奏って素晴らしい!!!

私はデューク・エリントンの「A列車で行こう」を演奏しました。これも大好きな曲です。本番はリハーサル以上に楽しく演奏できたように思います。

柴田晶子さんとバンドメンバー

7. 表彰式

私の成績を部門別に発表しますと、

Allied Arts アライドアーツ・・・1位
「手回しオルゴールと口笛」の組み合わせが世界に認められたようで嬉しい瞬間でした。
2位は、トロンボーンと口笛のデュオ、という斬新なパフォーマンスを披露してくれたTracy Echeverri(日本大会出場時に、テレビ番組Youは何しに日本へに取材され、一躍有名になった彼女です)

音源伴奏(クラシック)・・・1位
やはりクラシックは吹き込み量が大事だな、と実感しました。何年も練習してきた曲なので、安定していたのだと思います。

弾き吹き・・・3位
1位は、ギターの弾き吹きで「Change The World」を演奏し、客席の大喝采を受けた武田裕煕さん
2位は、現在注目されているバンドNobelbrightのボーカリストとして大活躍中の竹中雄大さん

LIVE BAND・・・3位
1位は、情感たっぷりの演奏で客席の涙を誘ったアメリカのChristian Smeltzer
2位は、リズム感抜群のノリで会場を盛り上げてくれたスペインのMarisa Pons

総合順位

1位 Akiko Shibata
2位 Yuki Takeda
3位 Marisa Pons

おそらくかなり僅差だったかと思うのですが、2019年大会のWORLD CHAMPIONを受賞することができました!

見事世界チャンピオンを獲得

あとがき

今回7年ぶりに口笛大会に参加者としてエントリーして思うことは、もちろん緊張感はあるものの、やっぱり大会は楽しい!ということです。主催者も参加者も、そこに集まる全員が、国や性別や年齢など全ての垣根を超えて、ただただ「口笛」に真面目に真摯に取り組む純粋さが、大会にはあると思います。

世界中から集まる口笛好きな人達との交流は、何にも変えがたく楽しい時間です。

たくさんのパフォーマンスを見て、好きなところを伝えたり、逆に質問を受けたり。こんなに本気に取り組んでいなかったら、決して知ることのない世界でした。私の人生に口笛があって本当に良かったと思います。

これからも、いろいろな形で口笛に関わっていくつもりですが、今回の大会での経験も新たな糧にしながら、ますます音楽としての口笛が世界に広まる一助になることができれば、と思います。

最後に、この素晴らしい大会を主催してくれたCarole Anne Kaufmanに心からの感謝と敬意を表します。

以上で大会レポートは終わります。お読み頂きありがとうございました。

口笛奏者 柴田晶子


参考
柴田晶子さんへのお仕事の依頼はこちら口笛奏者 柴田晶子 公式

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全面リニューアルのお知らせhttps://torinaki.com/renewal/https://torinaki.com/renewal/#commentsFri, 06 Mar 2020 02:31:06 +0000https://v2.torinaki.com/?p=4129

くちぶえ音楽院は2020年3月6日に全面リニューアルし、デザインとコンテンツを一新。より分かりやすい口笛情報サイトへと生まれ変わりました。]]>

くちぶえ音楽院は2020年3月6日に全面リニューアルを行い、デザイン、コンテンツを一新しました。

今後も口笛に関連した分かりやすい情報の発信を通し、口笛音楽の普及発展に貢献したいと思いますので、引き続きご支援下さいますよう宜しくお願い致します。

1.デザインを一新

モダンなデザインを採用し、直感的で、より分かりやすいデザインへと改良しました。

デザインを一新

2.コンテンツを全面刷新

これまでは1つの項目を、複数のページに分けて解説することが多くありましたが、ユーザーがあちこち見て回る必要が無くなるよう、1ページで完結するコンテンツ形式を採用しました。

結果として1ページあたりの情報量が大幅に増えていますが、レッスンのポイントや、目次を新たに設置することで、内容の把握が容易となるよう工夫しました。

目次やポイントを追加

3.スマホにネイティブ対応

スマホでの閲覧が年々増加していることを受け、各種モバイル端末で閲覧することを前提としたサイト構成とし、PC、スマホ、タブレットなど、端末を問わず、閲覧しやすくなりました。

スマホにネイティブ対応

4.コミュニケーション機能を追加

従来のお問い合わせフォームに加え、各記事の下部にコメント欄を設置しました。記事を読んだご感想など、お気軽に投稿ください。

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口笛世界大会:WWC2020【開催中止】https://torinaki.com/wwc2020/https://torinaki.com/wwc2020/#respondSun, 01 Mar 2020 00:45:55 +0000https://torinaki.com/?p=4342

口笛世界大会(The World Whistlers Convention 2020、WWC2020)の概要について掲載しています。新型肺炎の影響により2020年3月2日に開催中止が決定されました。]]>

このページでは、口笛世界大会2020(The World Whistlers Convention 2020、WWC2020)の概要と結果について掲載しています。

重要

音源審査(予選)まで完了していましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、2020年4月に予定されていたWWC2020は開催中止となりました。

次回開催は2022年の予定です。

大会概要

大会の概要は以下の通りです。尚、WWCは2016年7月に第1回が開催され、今回が3回目の開催となります(西暦偶数年、隔年開催)。

大会名称
正式名称The World Whistlers Convention 2020
略称WWC2020
日本語名称口笛世界大会 2020
場所
開催地神奈川県川崎市
会場川崎市男女共同参画センター・すくらむ21ホール
運営
主催ジャパン・ウィスリング・コンフェデレーション
審査員分山 貴美子
柴田 晶子
森 りか
竹内 亮介
タイムライン
音源審査受付期間2019/10/1~2019/10/31
大会開催期間2020/4/11~2020/4/12
費用
音源審査料(予選)3,000円
但し、18歳未満 2,000円
本選審査料成人 14,000円
シニア 12,000円
チャイルド・ティーン 8,000円
一般入場料無料

審査カテゴリー

以下の部門ごとに審査が行われ、各部門、3位まで表彰されます(音源伴奏カテゴリー成人部門のみ5位まで)。

また、総合順位は決定されないため、各部門ごと、計6名の世界チャンピオンが誕生することになります。

審査部門概要
音源伴奏:成人部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:18歳以上(65歳以上も可、但しシニア部門との重複出場は不可)
音源伴奏:ティーン部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:13歳以上、17歳以下
音源伴奏:チャイルド部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:12歳以下
音源伴奏:シニア部門自身で予め準備した録音伴奏に合わせ、現代曲(ポップス)とクラシック楽曲を各1曲、計2曲を続けて口笛で演奏する部門
対象:65歳以上
弾き吹き部門自身で楽器を演奏しながら口笛を吹く部門(弾き語り)。楽曲や楽器の種類は自由。但しセッティングに時間のかからない楽器に限る(ピアノ、ウクレレ、ギター、オートハープ、手回しオルゴールなどは可)。
対象:全年齢
アライドアーツ部門総合芸術部門。口笛に別の要素を加え自由にパフォーマンスを行う部門(口笛+ダンス、口笛+寸劇など)。人数・構成は自由、楽器伴奏も可。手笛・指笛など手を使用するスタイルはアライドアーツ部門のみ可。
対象:全年齢

審査結果

2020年3月2日、主催者より開催中止の発表がありました(新型コロナウイルスの影響による中止)。


参考
口笛世界大会大会公式サイト

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