口笛である程度自由に楽曲を吹くことが出来るようになっても、プロの口笛奏者のようなクリアーで透明感のある音色を出す方法が分からず、悩んでいる方も多いのではないかと思います。
このページでは、透明感のあるクリアーな口笛のサウンドを生み出すために知っておくべき、4つの基本的な方法をご紹介します。
1. 唇を水で潤す
唇が乾燥すると一般に、音がかすれ、クリアな透明感のあるサウンドを得ることが出来ません。
そこで、演奏前にコップに入れた水を少量飲むなどして、唇が十分に潤った状態で口笛を吹くように習慣付けてみてください。これだけでかなりノイズの少ない透明感のあるサウンドが得られるはずです。
水を飲む目的は、のどや口内ではなく、唇に水を接触させることにあります。多くの口笛コンテストではステージ上で曲間に水を飲むことが許可されており、多くの奏者が実際に水を口にしますが、その際は、意識して唇を湿らすように水を飲むようにしましょう。
「お風呂でならプロの口笛奏者にも負けないぞ!」と思っている方は少なくないと思いますが、お風呂で口笛が良く鳴り、良く響くのは、空間的な反響の良さだけが原因ではなく、湿度が100%に近いため、唇が殆ど乾かないことも大きな要因といえます。
2. 油で唇を潤す
口笛の音の輪郭を明瞭にするためには、唇の表面が滑らかで、均一であることが重要です。すなわち、乾燥などによって生じる極微細なくちびる表面の乱れを液体などで覆うことによって、空気の乱れの原因となる凹凸をなくし、空気がスムースに流れる環境を作ることが大切です。
前のセクションでは水を紹介しましたが、当然、水ではなく油であっても同様な効果が得られます。特に、油は、口笛を吹いても容易に気化しないため、長く唇のコンディションを一定に維持することが出来る、水にはないメリットがあります。
実は私も、初期のレコーディングにおいてはエキストラバージンオイルで唇を潤してからレコーディングを行うようにしていました。こうすることで口笛の音に付随する風切り音を大幅に減らし、音の輪郭を強調することが出来ます。
油の種類によって粘度(さらさら感の度合い)が大きく異なりますが、サラダ油、ゴマ油などでは粘度が高すぎて音のコントロールが難しく、少なくとも私の場合はエキストラバージンオイルが最適でした。
また、わざわざそのような手間をかけなくても、油っぽいラーメンを食べた後に口笛を吹いてみると、普段よりも鳴りが良いことに気が付くかと思います。これはラーメンに含まれる油分が唇の表面をコーティングし、空気の乱れが少なくなることに起因しています。
3. リップクリームを塗る
水だとすぐに乾いてしまうし、油ではベタベタして嫌だ、という方のために、最も手軽で自然な方法として、リップクリームを塗る方法も紹介しておきます。
厚く塗りすぎると音のコントロールが難しくなることがありますが、音をクリアーにするという目的においては特に初心者に効果的なケースが多々あります。
スースーするのが嫌だという方は、メントールが配合されていないリップクリームをドラッグストアなどで探してみてください。
4. 舌で唇を舐める
最後に、地味ですが、現実的に長い曲を吹く上でほぼ必須の方法をご紹介します。
方法といっても単に「唇を舌でなめる」という極めて単純なものです。
口笛で長い楽曲を吹くと、口笛の気流によって唇の水分がどんどん奪われ、音の芯が徐々に失われがちですが、間奏の間やパッセージのわずかな切れ目などで唇を舐め、唇の潤いを唾液によって保つことで、最後まで音のコンディションを安定的に維持することが出来ます。
お客様の前で、舌を出して唇を舐めることは大変失礼にあたり、また、口笛音楽の品位を下げる要因にもなりかねないため、下の動画で私がしているように、舌を出さず唇を口の中に巻き込むようにして、唇を潤すのがお勧めです。