ルーフ奏法(パラタル奏法)

ルーフ奏法・パラタル奏法

ルーフ奏法は口を開いた状態で口笛の音を鳴らすことが可能な特殊奏法で、パラタル奏法とも呼ばれます。

修練の度合い次第ですが、ルーフ奏法によって生み出される音は「ノーマル奏法」と「歯笛」のちょうど中間的な位置にあり、歯笛ほどの息っぽさも、ノーマル奏法ほどの堅さもない、上品な音色が特徴です。

ルーフ奏法を見てみよう

口を開いて口笛を吹くといわれてもイメージが湧かないと思うので、まずは以下の動画で、ルーフ奏法を見てみましょう。

口が開いた状態で口笛の音が出ていることが分かるかと思います。

ルーフ奏法で口笛を吹いていると、周りの人からは誰が口笛を吹いているのかさえ分からないのが通常で「口を開いたままでも口笛が吹ける」という事実を知ると非常に驚かれます。

ルーフ奏法は他の口笛奏法と比較してもかなり高度な制御技術が必要なため、日本人で自由にルーフ奏法を使いこなせる奏者は殆どいないのが現状です。

そもそも、口を開けたまま口笛の音が出せるルーフ奏法の仕組み自体が長い間解明されておらず、この奏法を独自に習得した少数の奏者もそのノウハウを公開していなかったため、どのようにすればルーフ奏法で口笛が吹けるのかは、謎に包まれていました。

今回は、そんなルーフ奏法(パラタル奏法)の吹き方の方法を公開したいと思います。

ルーフ奏法の吹き方

口笛が鳴る原理は、奏法を問わず、「口笛の音の元となるノイズ」を口内で反響・増幅させることにより生み出されます。また、その「口笛の音の元となるノイズ」のことを「イニシャルノイズ」と呼ぶことは以下のレッスンでも解説したとおりです。

ルーフ奏法においては、上あごと、舌を利用して「イニシャルノイズ」を作り出し、舌と上あごの間の空間を利用し音を反響・増幅させ、可聴音を形成します。

つまり、ルーフ奏法では口をすぼめる代わりに、舌をやや奥に後退させ、舌の中間~先端を利用して口内の上側と舌の間に狭い隙間を作り、ここに息を流して音を作り出しています。

そのため、口を一定の大きさに開けなければならない技術的理由は無く、口の内部の環境さえ適切であれば音を出すことが出来るため、口の開け方について意識する必要が無いのが特徴です。

ルーフ奏法を成功させる最大のポイントは、口内での反響(音の増幅)がノーマル奏法などと比べ圧倒的に少ないため、舌と上あごの間で可能な限り大きな「イニシャルノイズ」を意識的に生み出すことにあります。

唇をすぼめるノーマル奏法の場合は、小さなイニシャルノイズさえ作り出せれば、口内で反響・増幅させることで、大きくクリアーなサウンドを容易に作り出すことが出来ますが、口を開けた状態で発音するルーフ奏法においては、反響のために使える空間が舌と上あごの間しかなく、その隙間の漏れも大きいため、増幅効果が小さく、イニシャルノイズの大きさが不十分だと聞き取れる音にはなりません。

ルーフ奏法(パラタル奏法)はかなりコントロールが難しい口笛奏法技術ではありますが、音楽的に魅力的なサウンドが得られるばかりでなく、歯笛と同様に、口の内部の精密なコントロール感を養うためのトレーニングにもなるため、ノーマル奏法(パッカー奏法)の技術向上にも間接的に役立ちます。

是非練習して、技術習得してみてください。

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